Q②-7:「健康保険が使えない」場合は?
Q:交通事故の怪我の治療で健康保険を利用しようとしたら、「うちでは交通事故の治療で健康保険は使えない」と言われてしまいました。この場合は、自費通院または自由診療をせざるを得ないのでしょうか?
A:厚生労働省保険局保険課長通達にて、交通事故の際には健康保険が利用できることがきちんと周知されています。どうしてもできない場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。
※健康保険・あるいは労災保険を利用すべき場合については、
「Q②-5:労災保険や健康保険を利用すべき場合」をご覧ください。
なぜ健康保険の使用を拒否されてしまうのか
交通事故の怪我の治療で健康保険を利用したいと思っても、医療機関によっては、交通事故の治療において、自由診療及び自費通院しか利用できないとして診療を拒否したり、自由診療の方が医療行為の制限が無いということを理由に、自由診療を促したりするケースがあります。
このようなことがなぜあるかというと、健康保険利用と自由診療では、1点あたりの価格に差があり(健康保険の場合は1点あたり10円、自由診療の場合は1点あたり約20円~30円)、より高額な医療報酬を受けられる方へ誘導するためだと考えられます。
病院もあくまで商売ですから、このような行動は仕方ない…と言いたいところですが、原則として交通事故の怪我の治療において、健康保険は利用できます。厚生労働省保険局保険課長通達にて、「犯罪や交通事故の被害を受けたことにより生じた傷病は、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象である」という内容で、周知を図っていますし、健康保険が適用されない医療行為があることも事実ですが、そういった部分のみを自由診療とするような柔軟な対応も可能なはずです。実際にこのようなことでお困りの場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。
頑なに使用を拒否される場合は?
しかしながら、中には、「医院の方針だ」などの理由で、とにかく頑なに使用を拒否するところもない訳ではありません。仮に、交渉の末に健康保険等の使用にこぎつけたとしても、そのような状況では患者と医師の信頼関係が気付けるかどうかは怪しいものです。なので、そのような場合は、健康保険等の使用を快く受け付けてくれる医療機関に通うのもひとつです。
なお、診療自体は拒否されなかったとしても、診断書の発行や、被害者請求のための面談や診断書の作成を拒まれてしまうケースもあります。そもそも、保険会社が取得する診断書は、一括対応に基づく保険会社指定の書式であるため、健康保険を利用する場合は、病院所定の診断書様式のみでの発行となりますが、自賠責保険会社用でない診断書でも、被害者請求は可能ですので、ご安心ください。