3.外傷性てんかん
頭部の後遺障害として代表的な症例に外傷性てんかんがあります。
外傷性てんかんの発症率は、事故後1年以内50%、事故後2年以内に80%です。
重症外傷の場合には15%から35%の割合で出現します。もっとも、頭部外傷後にてんかん発作が発症したとしても、必ずそれが外傷性てんかんであると断定することはできません。
一般的には次の5つの要件を満たすものを外傷性てんかんといいいます。
- 頭部外傷以前にてんかん発作を発症したことがない
- 頭部外傷以外にてんかん発作を発症する要素がない
- 頭蓋内にてんかんを起こすような脳腫瘍などの病変等が認められない
- 頭部外傷により脳が損傷を起こした医学的根拠があること
- 頭部外傷後、最初のてんかん発作まで長期間(一般的には閉鎖性外傷で5年以内、開放性外傷で10年以内)を経過していないこと
後遺症認定との関係では、てんかん発作の型や発作回数に着目して12級13号以上の等級認定がなされます。
また、外傷後にてんかん発作がはじめて発症した時期によって、次のように区分されます。
- 直後てんかん(外傷後1時間以内)
- 早期てんかん(外傷後7日以内)
- 晩期てんかん(外傷後8日以降)・・・これが本来の意味の外傷性てんかん