高次脳機能障害と後遺障害申請2

今回は,自賠責保険に後遺障害申請をするにあたって,脳の損傷によって脳機能に障害が生じていることをどのように示すかを解説致します。

1 後遺障害診断書

自賠責保険に後遺障害申請をするにあたっては,主治医の先生に後遺障害診断書を作成して頂く必要があります。

前回も述べましたが,高次脳機能障害においては,脳の損傷を示す画像が存在することと,事故直後に意識障害が生じたことが後遺障害の認定を受けるために非常に重要です。

そのため,画像についての所見や本件事故後に意識障害が生じたことを具体的に記載していただくことが必要です。

また,症状が知能の低下という形で生じることもあるため,主治医の先生に知能検査をお願いしておくことも大事です。

後遺障害診断書と一緒に「神経系統の障害に対する医学的意見」や「頭部外傷後の意識障害についての所見」といった書類を作成していただくことで,画像所見や身の回りの動作の自立度、事故後の意識障害について詳細に診断していただくことができます。

2 日常生活状況報告書

事故前と比べてどのような変化がきたか,また事故後,どの程度まで看護が必要かについては,なかなか患者さんご自身では分からない場合が多くあります。

そこで,ご家族の方や施設で生活している方の場合には施設の職員の方など普段患者さんに接している方に,日常活動でどの程度,監督・声かけが必要か,自立しているか,問題行動はないかなどを0~4までの5段階で評価していただく,日常生活状況報告書を作成して,事故による変化を示すことが重要です。「日常生活状況報告書」などという大それたものでなくとも,様子を見て気づいたことなどを日記や手記にして記録しておくことも大変重要です。

上記の他にも,職場や学校など身の回りの方に陳述書を作成していただくことで,家族がわからない症状を示したり,生活の変化を証明する書類(自宅で生活された方が介護施設で生活するようになった場合には,その入所を証明する書類など)で生活の変化を示すなど,患者さんそれぞれに症状や生活の変化が異なりますので,患者さんに合った症状の証明の仕方があるかと存じます。
ぜひ弁護士にご相談下さい。

 
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