Q②-1:人身事故の損害項目は?

人身事故における主な損害項目を教えてください。

A:一例として、以下の通り類型化することができます。

①傷害(通院のみ)・後遺障害なし

(1)治療費
(2)通院交通費(※2)
(3)弁護士費用
(4)休業損害
(5)傷害(通院)慰謝料

②傷害(入通院)・後遺障害なし

(1)治療費
(2)付添費用
(3)入院雑費(※1)
(4)通院交通費(※2)
(5)弁護士費用
(6)休業損害
(7)傷害(入院+通院)慰謝料

③傷害(入通院)・後遺障害あり

(1)治療費
(2)付添費用
(3)将来介護費
(4)入院雑費(※1)
(5)通院交通費(※2)
(6)装具・器具等購入費(※3)
(7)家屋等改造費
(8)弁護士費用
(9)休業損害
(10)後遺障害逸失利益
(11)傷害(入院+通院)慰謝料
(12)後遺障害慰謝料

④死亡(※4)

(1)治療費
(2)付添費用
(3)入院雑費(※1)
(4)弁護士費用
(5)休業損害
(6)死亡逸失利益
(7)死亡慰謝料
(8)傷害(入院+通院)慰謝料

<補足>
※1 入院雑費:入院中に必要となる日用品雑貨費(寝具、衣類、洗面具、食器購入費)、栄養補給費(栄養剤等)、通信費(電話代、切手代等)、文化費(新聞雑誌代、ラジオ、テレビ賃借料等)、家族通院交通費等をいいます。入院期間中に支出した費用のうち、必要かつ相当な範囲内で認められます(近年では1日当たり約1500円で定額化)。

※2 通院交通費:症状などによりタクシー利用が相当とされる場合以外は電車、バスの料金が、自家用車を利用した場合は実費相当額がそれぞれ認められます。自家用車を利用した場合の実費としては、駐車場代、ガソリン代等が含まれます。また、被害者の症状が重篤な場合や被害者が年少の場合は、近親者の付添交通費や見舞いのための交通費も被害者本人の損害として認められます。

※3 装具・器具等購入費:治療期間中及び症状固定後に装具・器具等を使用する必要がある場合には損害として認められます。また、交換の必要があるものについては、原則として将来の費用も全額認められます。なお、社会福祉制度上給付がなされる装具・器具については、既に給付がなされている分は損害から控除しますが、将来分については予め控除しないのが通例です。

※4 交通事故が原因で死亡に至ったケースで治療を続けていた場合、死亡慰謝料とは別の損害項目として、入通院慰謝料を請求することができます。死亡による精神的苦痛と、入通院による精神的苦痛は、あくまで別個のものとして扱われます。

 
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