Q①-7:”損益相殺”って?
交通事故について調べていると「損益相殺」という言葉をよく目にします。損益相殺とは何ですか?
A:被害者が交通事故により損害を被るとともに利益を受けた場合に、損害賠償額からその利益相当額を控除することをいいます。
損益相殺とは、被害者が交通事故により損害を被るとともに利益を受けた場合に、損害の公平な分担という趣旨に基づき、損害賠償額からその利益相当額を控除することをいいます。わかりやすく言えば、被害者による損害賠償金の「二重取り」を防ぐためのシステムです。交通事故に遭い損害が発生したものの、既に被害者が損益相殺の対象となる保険金を得ていた場合には、その保険金分を差し引いた金額が被害者に支払われることになります。
損益相殺の対象となる主な金銭として、以下のとおりまとめることができます。
〇損益相殺の対象となる |
●損益相殺の対象とならない |
自賠責損害賠償額 |
自損事故保険金 |
各種社会保険給付 |
搭乗者傷害保険金 |
労災保険法に基づく給付金 |
生命保険金 |
厚生年金保険法に基づく給付金 |
傷害保険金 |
国民年金保険法に基づく給付金 |
労災保険法に基づく特別支援金 |
健康保険法に基づく給付金 |
見舞金及び香典 |
前述のとおり、損益相殺の趣旨は「賠償金の二重取りを防ぐ」点にあります。したがって、加害者から弁済を受けてしまうと賠償金を既に受け取っていることになるため、損益相殺により減額されることになります。
なお、加害者から直接金銭を受け取ることはトラブルの原因となりますので、十分ご注意ください。