Q③-2:修理代は請求できる?修理しなければいけないの?
Q:車の修理代は、加害者側に請求することができますか?また、どのような場合に車を修理しなければならないのでしょうか?
A:適正修理額(常識的な範囲内での修理に伴う費用)であれば、請求は認められます。ただし、過剰な修理は許されません。
交通事故で車両の損害が生じた場合、基本的には車両の修理費が請求の対象となります。ただし、過剰な修理は当然ながら許されないため、修理額の多寡や、損傷個所として適切かどうかなどは厳しくチェックされることになります。
なお、車両などの物損には、常に時価額という概念がつきまといます。車両のみならず、全ての財物は、新品の状態からスタートし、時の経過と使用により価値は減少していくと考えられます。そのため、車両の損害に関わる賠償においては、
- 事故車両の修理額
- 事故車両のその時点の時価額
を算出・算定し、金額が低い方が賠償の対象となります。車両時価額は、簡単に言えば、「事故車両と同年式・同グレードの車両を新規に購入した場合にかかる価格」を表しており、修理するより同様の車両を買い替える方が安く済むであろうという前提があります。古い車両を修理するとなると、通常よりも高い修理費がかかってしまう可能性が高いため、その負担を加害者側に全て負わせるというのは損害補填の公平性から好ましくないために、このような取り扱いがなされています。
(車両の修理額の方が時価額よりも高い状態を「経済的全損」といいます)
いくら修理が高くかかるとしても、時価額を上回ってしまうと、修理費分の支払いが受けられなくなる可能性が高くなってしまうため注意が必要です。
なお、当然ながら、車両の修理費分が賠償されるのは、実際に修理を行った場合のみです。