Q②-22:示談後に判明した後遺症
加害者と示談をしたのですが、後になって後遺症が判明しました。この場合、追加治療費や慰謝料等についてはもう請求できないのでしょうか?
A:契約とはいえ、示談も絶対ではありません。
示談は契約の一種であり、一度締結するとその内容について当事者を拘束します。一般的に、示談書には「被害者は、加害者に対し、これ以上の請求をしません。」という趣旨の条項(清算条項)が入っていることが多く、これにより、被害者は示談契約後の追加請求を放棄したと扱われます。
もっとも、法律はあらゆる契約を絶対視しているわけではありません。被害者の弱みにつけ込んで極めて不公平な内容で成立した示談や詐欺・強迫による示談等の場合には、その示談自体が無効であったり、取り消しの対象となったりします。また、示談の前提となった重大な事実認識について勘違いがあった場合にも、示談の効力が否定される余地があります。その他、示談書の文言によっては、条項の読み方によって不利益な結果を回避できるケースも稀ながら存在します。
とはいえ、一度成立した示談を覆すのは簡単なことではありません。交通事故の交渉をご自身で行われる場合であっても、示談書面の内容については慎重に確認されることをお勧めします。