弁護士費用特約はご存知ですか??

「弁護士に依頼したいけど費用が不安…」

交通事故被害について相談をご希望のお客様に対しては、必ず『弁護士費用特約』の有無について確認をさせていただいています。

弁護士費用特約とは,自動車の任意保険に付加される特約です。この特約があると、交通事故に関して弁護士に依頼する際の弁護士費用を保険会社が代わりに負担してくれます

通常、事件の交渉などを弁護士に依頼した場合、その弁護士費用は獲得したお金から差し引くのが一般的ですので、弁護士費用分の持ち出しがどうしても発生してしまう…というのが正直なところです。弁護士費用特約を利用すれば、交通事故の賠償金はまるまる受け取れて、弁護士費用は保険会社が代わりに払ってくれるので、もしもの際の備えとして、ぜひ加入していただきたいものです
「色々、取り扱いが厳しいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。

なお、利用にあたってはお客様の利益のためにぜひとも注意していただきたい点があります。

1.依頼する弁護士を自分で選べる!
2.弁護士に依頼するタイミングは自分で決められる!
3.保険料が比較的安い!
4.原則自己負担が無い!
5.比較的高額な実費も負担対象になりうる!
6.利用しても保険の等級は下がらない!
7.契約者本人だけでなく、本人の周囲の一定範囲の人が利用可能!

1.依頼する弁護士を自分で選べる!【重要

弁護士費用特約を利用する際の弁護士は、基本的にお客様自身で選ぶことができます。なので、交通事故に精通しており、被害者に寄り添ってくれる弁護士を自ら調べ、その弁護士に依頼することが最も望ましいと考えます。

保険会社側で弁護士を指定されるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような決まりはありません被害者の利益を最大限にくみ取る弁護士をぜひ選択していただきたいものです

もちろん、選択の希望がない場合は、ご自分の保険会社が推薦する弁護士が紹介されることと思いますが、どのような弁護士を紹介されるかは分かりません。

また、弁護士費用特約の利用にあたって弁護士の紹介を受けられるような制度もありますが、弁護士によって得意とする分野や知識経験・実績には当然差があり、必ずしも希望に合う弁護士を見つけられるとは限りません。

2.弁護士に依頼するタイミングは自分で決められる!【重要

最近のお客様からの相談の中で、「自分の保険会社から『治療が終わったタイミングで弁護士を入れてほしい』と言われた」という話をちらほら耳にします。弁護士費用特約を利用するにあたって、弁護士を入れるタイミングを保険会社が制限するなどということはできません。むしろ、交通事故事件における弁護士のサポートは、事故直後や早期の段階から受けた方がお客様の利益になる場合が非常に多いと考えています。

交通事故被害というものは、一生にそう何度も遭うものではなく、「初めての経験でどうしたらいいか分からない」という方が非常に多いのではないかと思います。そんな中、初期から専門家のサポートがあれば、心強いと思いませんか?

3.保険料が比較的安い!

弁護士費用を保険会社が代わりに払うような特約は、付けるだけで保険料が凄く高くなるのでは?」と思うかもしれませんが、そのようなことはありません。

インターネットで調べた限りで、保険会社毎に多少の差はあるものの、年間2,000円~4,000円程度となっており、さほど高い保険料ではないと申し上げたいところです。

4.原則自己負担がない!

最初に一部説明している通り、交通事故事件に関する弁護士費用を保険会社が代わりに支払ってくれるので、弁護士費用の自己負担がありません。
では、実際どの程度まで負担してくれるのかというと、

  • 相談料…交通事故事件1件につき合計10万円まで
  • 報酬及び実費…交通事故事件1件につき合計300万円まで(着手金を含む)

というのが一般的です。
弁護士に相談する際の相談料は、概ね30分あたり5,500円(税込)というのが一般的で、仮に複数の弁護士に相談し相談時間を費やしたとしても、10万円を超えることは「限りなく無い」と言っていいでしょう。
また、報酬について、着手金と報酬の合計(一旦実費を除く)が300万円を超える場合は、被害者の損害額の合計がおおよそ1638万円を超えた場合と非常に稀なケースで、ほぼ全ての交通事故事件について、自己負担無しで弁護士に依頼ができます。

仮に、交通事故の被害者の経済的利益※が1638万円だとすると、

  • 着手金99万9900円

(着手金は、経済的利益が300万円を超え3000万円以下の場合、経済的利益×5.5%+9万9000円(税込)で計算されます。)

  • 報酬199万9800円

(報酬は、経済的利益が300万円を超え3000万円以下の場合、経済的利益×11%+19万8000円(税込)で計算されます。)

この場合の着手金と報酬の合計は、299万9700円となります。
ただし、実際には事件にかかった実費も加算されますので、一部の実費が自己負担となる可能性が高くなります。

※「経済的利益」とは
「経済的利益」とは、弁護士が代理人を務める種々の事件の報酬計算のもととなるもので、事件終了時に当事者が獲得した権利利益を金銭化したものです。時と場合によって経済的利益の算定方法は異なりますが、概ね損害額と考えていただいて問題ありません。

5.実費のうち比較的高額になりがちなものについても対象になりうる

弁護士費用特約は、弁護士に支払う報酬だけでなく、事件にかかる実費(郵送の切手代、公的機関への各種申請手数料、医師の意見書代など)も支払いの対象としてくれます。

また、事件によっては、

  • 後遺障害の残存を証明するための医学的検査
  • 過失割合主張のための交通事故状況の調査
  • 事故車両についた傷などによる工学鑑定

などを行うことも時に必要となりますが、専門家に対する検査・調査・鑑定などの費用は比較的高額になりがちです
こういった損害を証明するための費用は、加害者側に請求するというよりは、被害者側の自己負担となってしまう傾向が強いのですが調査の必要性が認められ、費用についても妥当性が高ければ、弁護士費用特約によって支払われる可能性があります

なお、事件解決においてかかった実費の支払については、上記で示している通り、報酬と併せて300万円までという制限があります。着手金や報酬の計算基準上で300万円を超えてしまうと、実費が自己負担となってしまう場合がありますのでご注意ください。

6.弁護士費用特約を利用しても保険料の等級は下がらない

交通事故が発生したことにより自分の保険を使うことから、「保険の等級が下がるのではないか」と気にする方がいらっしゃいますが、弁護士費用特約を利用しても等級が下がることはありません

7.契約者本人だけでなく本人の周囲の一定範囲の人が利用可能

弁護士費用特約の利用対象は、決して契約者本人だけではありません
基本的には以下のような方が利用可能です。

  • 契約者の配偶者(内縁関係でも可)
  • 同居の親族
  • 別居の未婚の子
  • 契約自動車の搭乗者
  • 契約自動車の所有者

また、車を運転中でなくとも、歩行中の交通事故や、自転車運転中の事故の場合も利用が可能です。自分自身が契約していない場合でも、親族の方の契約状況によって利用できる場合がありますので、あきらめずにご相談ください

以上、「弁護士費用特約」のことについて説明してまいりました。
交通事故被害者の代理人として弁護士が就くことには大きなメリットがあります。尚且つ、弁護士費用特約を利用することで、お客様自身の負担もほとんどなく弁護士に依頼することが可能です。

ぜひ、交通事故被害で弁護士への依頼をご検討の際は、被害者専門の弁護士事務所である岡島法律事務所へご相談ください!

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